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希望
奪還の後日談というか・・・
ティナの笑顔で終わらせたいという私の我侭です。

設定捏造、シナリオ捏造が一段と激しくなっております。
どうかお気をつけください。

上記&注意書きが大丈夫な方だけ「続きを読む」からお進みください。


☆――――――――――――――――――――――――――

雪深い、コスモスの館に無事に戻ってこれた10人。
ティナが攫われていたのは、1日にも満たない時間なのに
何故かこうして10人揃うのが、とても久しぶりな気がしていた。

「ティナ、大丈夫? 寒くない??」

オニオンナイトが手を繋いでいるティナを気遣う。
ティナは皆が「俺のも使え」「僕のも!」と貸してくれた上着やらマントやらで、
顔以外はぐるぐる巻きに近い状態だった。

「むしろ何時もよりも厚着しているぐらいだから、寒さは平気よ。」

と、優しくオニオンナイトに微笑んだ。

「到着ーーー。」

バッツが肩に積もった雪を払い落とし、玄関の扉を開けた。
観音開きの扉のもう片方をジタンが開ける。

「さっ、レディ。どうぞ中へ。」

まるで王族や貴族のように手を前に回して礼をするジタン。
そんなジタンにもティナは「ありがと」と笑いかけた。

「とりあえず、身体も冷えていることだし
 お風呂に先に入ってきちゃいなよ。僕たちはティナの後で入るし。」

セシルが気を利かせてお風呂を勧める。
身体が冷えているから・・・という理由も勿論あるけれど、
一番の理由はそれじゃない。
でも・・・・・・ 

早く、あの男の残滓を洗い流しておいで・・・・・・

とは流石に言えなかった。

「私が先で良いの? むしろ皆の方が寒そうだわ。」

ティナはさすがに躊躇ったが、
他の9人から「先にどうぞ」と勧められ、それに従う事にした。

   ――★☆――

「はぁ・・・・・・。」

ティナの姿が完全に消えてから、9人は一斉に大きく息を吐き出した。

「かなり無理してたな・・・。」

「いつものティナの笑顔じゃないッス。」

「助けようとした子供がイミテーションだったってのもショックだったみたいだし・・・。」

「それでも「イミテーションとはいえ泣いている子供を放っておけない」って言って
 探そうとするんだからなぁ・・・。ティナらしいといえば らしい んだけどさ。」

「でも、結局見つからなかったッスからねぇ。
 あの時のティナの落胆した姿は見ていられなかったッスよ。」

居間へと移動しながら、口々にティナのことを気遣い心配する。

「それに・・・魔力を封じられた事も、ティナの心を苦しめているようだ。」

「ティナの事だから、また足手まといとか考えているんだよ。」

帰る道すがら聞いた衝撃の事実を思い出す。
ティナは細身の身体の割には、意外な程に重い装備も可能だったのだけど
どうもそれは足りない筋力を魔力で補っていたからのようで・・・。
それも幼少時から、無意識にやっていた事らしく、
ティナ自身も力が入らない身体に戸惑っていた。

「ティナの存在・・・それだけで俺たちの力になるのに。」

(まったくだ・・・。)

クラウドは暖炉に火を入れながらそう言うが、
心に一番重くのしかかる心配事は怖くて口に出せなかった。
そしてそれはクラウドだけでなく、全ての戦士の一番の心配だった。
ティナは・・・コスモスの戦士として、この先もこの世界に留まれるのか・・・と。


パチッと暖炉の火がはぜる音だけが聞こえる部屋に
突如、光が現れた。まさに“神の出現”と言わんばかりの神々しさで。

「コスモス!!」

9人が同時に叫ぶ。
そこに居たのは自分たちをこの世界に呼び寄せた召喚主、秩序の女神コスモス。

「ごめんなさい・・・。
 ティナを助けたかったのだけど、あそこはカオスの力が強すぎて・・・・・・
 私の力が及ばなかったのです。」

そう静かに言葉を綴る。

「コスモス・・・、ティナはどうなる?」

ライトが単刀直入に尋ねた。
聞きづらい事だったが、自分が“つらい”事は他の者だってつらかろう。
それならば自分がその道を選ぼう。それがライトのやり方だった。

「どうなる・・・とは?」

コスモスは逆に問いかけるように9人を見渡した。

「ティナは魔力を封じられました。敵が作り出したアーティファクトの首輪の所為です。
 外せないかと僕たちも知恵を絞ったのですが、どうやっても外れません。
 この先・・・彼女を・・・戦士としてこの世界に置いておけるのか・・・という事です。」

ライトが話そうとするのをセシルが止め、自分が答えた。
つらい事をライト1人に背負わせるつもりはなかった。仲間だから。

「あなた方はティナに元の世界に帰って欲しいのですか?」

「そんな訳ない!!」

コスモスの言葉に9人が見事に声を揃えて即答した。

「一緒にいたいさ!、この先だって一緒に!!」

「彼女の笑顔を見れば、明日も頑張ろうって思えるんだ・・・。」

「俺たち、みんなの宝物なんだ。」

そう口々に答える戦士に、コスモスはにっこりと笑った。

「答えは出ているではありませんか。」

「良いのか・・・?」

ライトは決してティナに消えて欲しい訳じゃない。
でも世界を守るという使命がある以上、感情だけでは判断はできなかった。

「クリスタル・・・・・・。
 それを手に入れる方法は人それぞれです。
 結果として魔力や戦う力が必要となる事もあるかもしれませんが、
 魔力がクリスタルを見つける訳でも、作り出す訳でもありません。」

それと・・・とコスモスは言葉を続ける。

「あなた方はもう一つ、恐れを抱いていますね?
 ティナの純潔が奪われた・・・と。
 それでも・・・なお、クリスタルは輝くのか・・・と。」

空気がピシッ!と一気に張り詰めた。
みな、確かに心の隅にはあった心配だったのだけど
必死に考えないようにしていた事だった。
張り詰めた空気に、誰もが何も答えることができないでいた。
そんな空気を解きほぐしたのは、固めた張本人の女神様だった。

「大丈夫ですよ、ティナの純潔は守られたままです。
 まぁ・・・純潔がクリスタルを得るのに必要かと聞かれれば“否”と答えますが。」

「・・・・へ??」

戦士達はまさに拍子抜けだった。

「ぁ・・・え? いや、え?? つまり、それって・・・。」

ティーダは頭の中で必死にコスモスの言葉を理解しようとする。
何せあの時見たティナの姿のインパクトは強烈だった。
破かれた服と下着、全裸のティナ。しかもその白い肌に散る赤い花びら。
それらの事項を全てあわせれば、答えは明らかで・・・。

他の戦士も直ぐには信じられないといった表情だったが、
コスモスが嘘を言うはずもなく・・・。
誰からとも無く安堵の溜息が漏れた。
中にはガッツポーズをする者も居たが・・・・・・。

「ただ、ティナには謝られねばなりません。
 ティナは戦士であると同時に女性でもあったのに・・・
 そこに対する配慮が欠けていました。」

コスモスは俯いて、心底申し訳無さそうに呟き・・・そして消えた。
残された戦士たちは、ようやく・・・本当にようやく長い一日が終わった事を感じた。

   ――★☆――

ティナはお風呂から出て部屋で髪をタオルドライしていた。
長い1日だった・・・と思う。
自分がこうしてコスモスの館に戻ってこれた事が、未だに信じられなかった。

(あのまま・・・あそこで・・・皇帝の手で・・・・・・)

そう考えるとブルッと体が震える。怖くて怖くて仕方が無い。
思わず自分の身体を抱きかかえるようにするが、震えは止まらなかった。

そんな時に

「ティナ・・・」

と自分を呼ぶ声がすると同時に部屋が光で満ちた。
眩しいけれど目を刺すような痛みもなく、ただただ暖かい光。

「コスモス・・・?」

光の主であろう女神の名前をそっと呼ぶと、光がすぅーっと消えていった。



光が消えると景色は一変していて、ティナはコスモスの聖壇に立っていた。

「ごめんなさいね、ここの方がお話ししやすいから。」

コスモスが穏やかに笑う。
その微笑はティナの心に暖かいものをゆっくりと満たしていくかのようだ。

「いえ・・・。
 コスモス、私は・・・もう・・・。」

後はもう言葉にならない。ここから帰されるのだと思った。
せめて、お別れを言う時間だけでも貰えないかしら・・・。
そうお願いしようと思ったとき、

「ここに・・・、私の横に座りませんか?」

そうコスモスが自分の聖壇の横に座る事を勧めてきた。
ティナが勧められるままに、おずおずとコスモスの横に腰を下すと

「大変でしたね・・・。」

と言ってコスモスはティナを優しく抱きしめた。
それはまるで“母”のような暖かさと優しさを感じる腕だった。

ティナは頑丈に張り詰めたいくつもの糸が、次々と音を立てて切れていく気がした。
仲間に心配をかけたくなくて、ずっと笑顔でいた。
私は平気だから、大丈夫だからと言い続けた。
でも・・・今、コスモスの優しさに涙がぽろぽろと零れ落ち、堪えられない嗚咽が漏れてしまう。


ひとしきり泣いて落ち着いた時、コスモスのほうから切り出した。

「ティナ、貴女に頼みがあります。」

ティナはその続きが「帰って欲しい」という事だと思い、ビクリと肩を震せた。
言わないで・・・言わないで・・・と願わずには言われない。
その様子はコスモスにも解ったようで

「あのね、ティナ。
 貴女にはまだクリスタルを見つけるという使命があるわ。
 それとも・・・、もう帰りたいですか?」

コスモスの言葉にティナは慌てて首を横に振った。
でも・・・自分は魔力を使えない。
それでは皆の足手まといとなる事は確実だ。
そう伝えると

「良いではありませんか。
 確かに戦闘では他の者に劣るかもしれません。
 ですが、貴女は確かに戦士の一員です。彼らの心を支えているのですから。
 それは他の誰に変われるものではありません。」

と笑顔と共に言われる。
母のようだと思ったコスモスにそう言われると、
自分はまだここに居て良いのかも・・・と少し気持ちが軽くなった。

「ただ、ダメですよ?
 もう今後は知らない人に迂闊に近づいては・・・。」

「はい。」

本当に母親のようなコスモスに、ティナは少し嬉しくなる。
思わず微笑みと一緒に返事をしてしまった。
その様子に、どうしました?と首をかしげるコスモスに

「ぁ、ごめんなさい。秩序の女神であるコスモスに・・・あの・・・怒らないでくださいね。
 なんだかお母さんみたいだ・・・って思ってしまって・・・・・・
 もし、お母さんが居たらこんな感じなのかしら・・・って。」

そう恐る恐るティナは告白する。
その言葉にコスモスは本当に嬉しそうな顔をして、ティナを抱きしめた。

「怒るなんてとんでもないわ・・・。ありがとう、嬉しいわ。
 私にも子供が居たの・・・守りたかった・・・子供が。」

そう言い終わるとコスモスの顔から笑みが消え、決意に満ちたものへとなった。

「ティナ、貴女に少し危険なお願いをしなくてはなりません。
 私は・・・そう遠くない未来、消滅するでしょう。」

そのコスモスの言葉にティナが驚愕する。

「私たちが・・・クリスタルをなかなか手に入れられないから・・・・・・。
 もう少しだけ! もう少しだけ待ってください。
 私たち、今まで以上に頑張りますから。」

ティナは慌ててコスモスの手をとって、自分の母親を励ますかのように必死に訴えた。
そのティナの手をコスモスはそっと握り返し、悲しそうな瞳を見せる。

「いいえ・・・これは、既に決まった事なのです。
 全てを・・・・・・戦いを終わらせる為に。
 そこでティナに頼みがあるのです。」

決意の固いコスモスにティナはもうかける言葉が見つからなかった。

「私にできる事でしたら・・・・・。」

そう言う事しかできない。
その言葉にコスモスは「ごめんなさいね。」と謝ってから立ち上がり、
ティナと向かい合わせになるように移動し、その場で膝立ちになる。

「ティナ、私は今からある儀式を行いたいと思います。
 その儀式は私の中にある記憶と意識を貴女の中に移す儀式です・・・・・。
 元々は私の一族が使っていた転生の儀式なのですが、
 それを少々アレンジしたようなものですね。」

そういってティナの両手を取る。
ティナは自分の中に記憶と意識を移すという事が理解できずに首をかしげた。

「そうですね、簡単にいえば貴女の中に私のカケラを残す儀式です。
 そうする事で私が消滅しても・・・クリスタルが全て集まれば・・・。
 今のままでは・・・誰も救えないのです。」

と、何か含みがある言い方をするコスモスにティナは不安になる。
特に誰も救えないという言葉・・・。それは嫌だった。

「どういうこと? それに私の意識はどうなるの?」

「それは大丈夫。あくまでも私のカケラを貴女の心の片隅に仕舞いこむだけ・・・
 不幸中の幸いと言うと語弊がありますが、今の貴女は魔力が外に一切出ません。
 なので貴女の強大な魔力は内に篭りがちになるでしょう。
 その中に、私のカケラを匿ってほしいのです。
 私の存在を、気配を貴女の魔力とそのアーティファクトで隠して欲しいのです。
 クリスタルを揃え・・・・・・カオスと合間見える、その時まで。
 全てはその時に解るはずです・・・・・・。」

コスモスを守る事が出来る。それも魔力を封じられた今の私だからこそ守れる。
それならばティナに迷う余地は無かった。
誰かを守れる自分でありたかった。
大切な人を、笑顔を、世界を、未来を・・・全てを守りたいと思う。
自分1人ではそれら全ては出来ないかもしれないけれど・・・
だからといって諦める事は出来なかった。

ただ・・・私はこのままでクリスタルを見つけることが出来るのか・・・
その不安は消えない。
そうコスモスに伝えると、コスモスは大丈夫よとニッコリ笑う。

「ティナ・・・? ティナにとって力とは何ですか?」

ティナは少し考えてから、

「まだきちんと・・・頭の中が整理できてないのだけど・・・・・・。
 私にとって力は恐ろしいものだった。破壊の力・・・そう思ってた。

 でも・・・今はそうじゃないって・・・。
 力は力で・・・、善も悪も、光も闇も、秩序も混沌もなく。
 私の心次第で力は幾らでも変わるんだって。

 怖いと思っていた力も、今思えば私を支えてくれる力でもあった。
 私はこの力を、皆を守る力にしたい。
 皆の笑顔や未来を守る力にしたい。

 それに何より、お父さんから貰った力だから。
 今でも少し怖いと思うけど・・・
 だけどお父さんから貰った力を怖い力のままじゃなく、希望の力にしたい。大事にしたい。」

ごめんなさい、考えがまだまとらまらなくて・・・
そう言おうとした時、ティナの前に光と共に赤く輝くクリスタルが現れた。
驚くティナにコスモスはニッコリと笑いかけた。

「ほら、大丈夫でしょ?
 貴女は力の持つ意味を知った。
 そして・・・力に負けない強い心を見つけた。守りたい・・・という強い意志を。」

クリスタルは再びティナの中へと消えていく。

「さぁ・・・あまり時間が無いわ。危険の事も話さなくてはね・・・。
 貴女は魔力を封じられたままカオスと まみえることになります。
 それもカオスの聖域ともいえる場所で。それは大変危険な事です・・・・・・。
 でも、その時こそ私はクリスタルの力で復活し、貴女の首枷も外れるでしょう。」

ティナはコスモスの言葉にコクンと頷いた。
全てはコスモスの意思に委ねる決意は出来ていた。
自分の身を心から心配し、安堵してくれたコスモスの姿を「母」のようだと思った時に。

「よろしいですか?」

「はい。」

2人は手を取り合い、お互いの顔を見つめる。
コスモスが何かを呟くと同時に、足元から暖かい光が湧き上がった。
その光が自分達の周りをくるくると踊るように回り始める。
コスモスの心地よい声がまるで子守唄のようで、ティナは意識が少し遠くなるのを感じる。
それはまるで夢の中にいるような感覚だった。
夢現の中で自分の中に何か暖かい光が入ってきたのが解る。
でも、それは一瞬の事で、直ぐに奥深くへと消えてしまった。

「終りました。
 この事は誰にも・・・コスモスの仲間にも内緒にしてくださいね。
 私が消滅する事も、私のカケラのことも。
 どこにカオスの目や耳があるか、解りませんから・・・・・・。

 ティナ・・・ごめんなさいね、そしてありがとう・・・。
 さぁ、皆が迎えに来たわ・・・、行きなさい。」

コスモスは今一度、ティナを優しく抱きしめると光となって消えた。

「私のほうこそ・・・ありがとうコスモス。」

自分が存在して良い理由を探し続けてきたティナにとって
コスモスが自分に託してくれたカケラは、大きな希望の光だった。

遠くから自分を探す声が聞こえてくる。
一番大きな声はティーダだ。それにバッツやジタンの声も聞こえる。
一際大きな人影はライト、小さな人影はオニオン。
つんつん頭のクラウドに、ふかふかが気になるスコール。
いつも優しいセシル、いつも気遣ってくれるフリオニール。

ティナの大切な仲間たち。
自分の全てで守りたいと思う仲間だった。

その仲間たちに大きく手を振ると
戦士たちもティナに気づいたようで、一斉に走り出した。
ティナは部屋から転移した所為で素足だったけど、
そんな事も気にせずに仲間の環に駆けていった。

「みんな、大好きっ!」

ティナは笑顔で仲間の環に飛び込んだ。

コスモスの戦士たちは再び希望の光を手に入れた・・・・・・。
ティナという名の希望の光を。


ディシディアSS | 2009/02/12(木) 00:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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