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愚者1 [猛者+少女]
はからずも前後編になってしまった、猛者と少女のSSです。
拍手コメントで、華奢なティナが大きい人と並んでるのって良いよねって話がありまして、
それは私も常々感じている“ツボ”でしたので、SSにしてみました。

あと、当ブログではキャラクターのイメージカラーを黒耀が勝手に決めている訳ですが、
ガーランドさんのイメージカラーがことごとく明度が低い色なのでどうしようかと思ってます。
背景色にとけこんじゃいそうで・・・・・・。
最終的に設定した色も明度が低い色なので読みづらいかもしれません・・・。
すみませんが、「読めない!」という方がおられましたら、教えてください。

あと、今回。
ガーランドが出てくる訳ですが、容姿設定が思いっきり黒耀の捏造ですのでご注意ください。

それでは上記&注意書きの内容が大丈夫な方は「続きを読む」からお進みください。


☆――――――――――――――――――――――――――

誰だったか・・・・・・
この娘の事を「トゲ」だと言っていたように記憶しているが、
まさしくこの娘は闇の心に刺さり、決して抜けぬ光のトゲだ。
しかもその光が、知らず知らずのうちに心を変えていく・・・・。
この娘は危険すぎる・・・・。
頭の中で警鐘が激しく鳴り響き、心も警報を発している。
にも関わらず、何故か引き寄せられてしまう・・・・・・。

まさかその小娘と2人きりで彷徨う羽目になるとは・・・。



ウォーリア オブ ライトとの宿命の対決に出向いたワシだったが、
あやつの傍にはコスモスの小娘がくっついておった。
皇帝が異常なまでに執着している この小娘に興味が無い訳ではなかったが、
ワシの成すべき事は唯一つ。この戦いの輪廻を戦い抜く事のみ。
その成すべき事の前には女子供であろうと容赦をするつもりは無い。

ゆえにワシは襲い掛かった、娘もろとも光の戦士を打ち砕く為に。

光の戦士は咄嗟に娘をかばい盾を構えたが、
ワシの大剣の威力は完全に防ぎきれるものではない。
剣から迸る衝撃波を娘は避け切れなかったらしい。娘の悲鳴が聞こえた。

なんと脆い、それで戦士とは笑わせる。

光の戦士が娘に向かって逃げろと言っているが、
ワシは逃がすつもりは無い。
2人とも永遠に回り続ける戦いの輪廻へと身を沈めてもらおう。

再びワシは剣を構えると、その標的を娘へと切り替える。
娘を襲えば光の戦士は庇いに入るだろう。
無理に割って入った時の防御の姿勢ほど脆いものは無い。

ワシは一気に娘へと飛び掛ると、腰に下げていた斧へと持ち変えた。
そしてそのまま娘の足元へと斧を叩きつけ「じしん」を起こす。
飛び込んでくるであろう光の戦士諸共、地割れに飲み込んでやる。

ただそこに大きな誤算があった。
足場が崩れる程度の事は想定しておったが、
その真下に混沌の渦が口を開いていようとは・・・・・・。

似たような見た目だが、デジョントラップと呼ばれる“世界の断片”の中に引き戻す罠とは違う。
この渦に飲み込まれればコスモスの戦士は消滅は免れぬ。
コスモスが召喚した世界の断片が、混沌に飲み込まれ消えたのと同じように。

そしてワシを始めとしたカオスの戦士も死亡する可能性が高い。
もっともワシらの場合はカオスの力が強大である今、
復活できる可能性も十分にあるが・・・・・・。


娘の悲鳴と同時に足元は崩れ落ち、
混沌の渦は顎を容赦なく広げて落ち行くワシらを飲み込もうとする。
崩れ落ちる大きめの岩場を足がかりに駆け上ろうとしたが、重装備なのが災いした。
岩は足を乗せた途端に砕け、ワシはバランスを崩してしまった。

これまでか!

そう思った時、何故かワシの身体は落下を止めた。
上を見ればワシが刃を向けたはずの小娘が、ワシの手を掴んでいた・・・。

訳が解らぬ。
何故ワシを助ける。

娘は崩れ落ちる大地から伸びた植物の根に片手でぶら下がり、
そしてもう片方の手でワシの手を握っていた。
光の戦士が血相を変え、娘を助け出そうとしているのが眼に入る。

「愚か者が!」

思わずそう叫んでいた。
敵であるワシを助けてどうするのか。
戦いの場において、そのような情けなど無用だ。

「でも・・・、それ、混沌の・・・渦・・・。あなただって・・・危ない。」

精一杯 力を出しているからだろう。
食いしばる歯の間から、途切れ途切れの言葉が聞こえる。
小娘の細い身体にワシの身体と装備が重すぎるのは明白。
その証拠に小娘の腕がプルプルと小刻みに震えているのが解る。

「ティナ!! 今助ける。持ちこたえるんだ!!」

娘の更に上からは、光の戦士の今まで聞いた事が無い程に慌てふためく声がする。
しかし肝心の娘はそれに対し、返事をする余裕すらないようだ。
固く目をつぶり、顔には大粒の汗が浮いてきていた。

「ワシの手を離せば良かろう!」

死ぬのは怖くない。戦いの輪廻が再び巡るだけのことだ。
しかし娘はワシの声に首を横に振るばかり。

「何をしている、ワシの手を離せ!!!」

怒鳴りつけると、娘はカッと目を見開き

「嫌!!!」

と今まで見聞きした事が無いほど、強い口調で拒否をした。
愚かな・・・愚か過ぎる。何を考えている。

その時、何故かワシの脳裏におぼろげな面影が浮かんだ。
儚げな風貌・・・しかし内にある強さが現れた瞳。
気高く・・・そして優しく。
ワシを拒絶した・・・・あの姫の面影が目の前に娘に重なる。

その間にもブチッ・・・ブチ・・・と、
娘の掴んでいる植物の根が嫌な音を立て始めだす。
もう時間が無い。それは娘も感じたようだ。

ワシを見下ろした。
ふん、そうでなくてはならん。
ようやくワシの手を離す気になったか。

そうワシは思った。
しかし娘の口から出たのは意外すぎる言葉だった。

「私の・・・身体を・・・よじ登って・・・上に!!」

どこまで愚かなのか・・・。愚か過ぎる・・・優しさだ。
ワシの事など拒絶すれば良かろう!
ワシの事など見捨てれば良かろう!!

しかし・・・と思う。
娘の言う通りにするのは癪ではあったが、
このまま2人でぶら下がっているより助かる可能性はその方が高い。
そう思い、娘の手を両手で掴もうと身体を動かした途端

プチン!!

植物の根は音を立てて千切れてしまった。

どこかに固定してきたのであろうロープを片手で握り、
断崖を滑り降りてきた光の戦士の娘を呼ぶ悲痛な声が響く中、
ワシと娘は混沌の渦へと向かって落ちていった。

   ――★☆――

死を覚悟した。
そして娘の消滅を覚悟した。

・・・覚悟?
何故娘の消滅を覚悟せねばならん。
・・・ワシは・・・今、何を考えている?


目を開けると娘の不思議な翠色の髪が目に入った。
消滅していない? ワシも生きているだと・・・?

混沌の渦に飲み込まれたはずなのに。何故だ。
頭の中が混乱しているのが解る。
「何故」と思う事柄が多すぎた。
しかし、ゆっくりと思索する時間はワシには与えられていないようだ。

いきなり娘がワシの鎧の上に覆いかぶさった。
いったい何事かと思ったが、娘の向こうに何やら禍々しい存在を感じる。

その禍々しい存在の蔓なのか触手なのか・・・何か長いモノが延び、
娘の背をしたたかに打ち付ける。途端に血の匂いがした。

「くっっ!!!」

娘は必死に唇をかみ締めて苦痛の声を飲み込んだ。
愚かな娘だ・・・。

娘の肩を掴み、横に除けさせようとすると娘の顔がぱぁーと明るくなった。

「気づいたのね!」

そう、本当に嬉しそうに言う。
つまり声を殺していたのも、少しでもワシを休ませる為だったという訳か。
無理やり娘の背中を覗き込むと幾つモノ傷から血が流れていた。

「愚かな娘だ。」

心の底からそう思う。
しかし娘はそれに笑顔で返してきた。

「愚かでも構わないわ。私は・・・何かを守れる自分でありたいの。」

その瞳、強い決意に満ちた瞳・・・・。
そうだ・・・ワシはこの瞳を知っている。

なおも襲い掛かってくるバケモノを、ワシは大剣で一刀両断にした。
恐らく何の知性も無い、ただ本能のままに動くバケモノなのだろう。
大した回避もせずにバケモノは切り裂かれて動かなくなった。

思索するのは後回しだ、まずは安全を確保しなくてはならん。
倒したバケモノを調べようとすると
娘がワシの後ろをちょこちょこといった感じでついてくる。

「・・・なんだ?」

「ガーランド・・・さん、強いなと思って。」

「呼び捨てで構わん。」

何故、敵方の娘と普通に会話をしているのか・・・・
自分が信じられない。
敵の死骸の側まで行くと、今まで見た事がない化物だという事だけは解った。
周囲の景色も全く見覚えが全く無い。
足元はしっかりしているものの、それはほんの5~6m四方程度。
そこから先は禍々しい闇が渦巻いていた。

「どうなっているのだ。」

娘に問うたつもりは無かったが、
思いもかけずに答えが返ってきた。

「ここはコスモスの世界の欠片だと思うわ。
 本当はもっと大きな断片だったんだろうけど・・・
 ほら、見て。あぁやって混沌に侵食されちゃったんだと思う。」

そういう娘が指差す方向を見ると、地面がじわじわと闇に溶けていくのがわかった。

「なるほど・・・。
 偶然にもコスモスの力に助けられたという訳か。」

そんな偶然があって良いのかと、少々納得がいかない部分もあったが
確かに今立っている小さな浮島のような大地からはコスモスの力を感じた。

「それでね、その闇の中から変な化け物が襲い掛かってきて・・・。」

「あぁ・・・次元を彷徨う封印されし魔物だったか・・・・・・。」

化け物に関しては得心がいった。
太古の昔、兵器として作られた化け物がいる事は知っていた。
失敗作であったり、使い道が無い場合は次元の狭間に捨てられた事も。


その時だった。

「ガーランド!!」

娘がワシの後ろを指差して叫んだ。
振り返ると倒したと思った魔物が急激に膨れ上がり、そして破裂した。
その体液がワシらの上に降り注ぐ。
直感的にまずいと思った。
マントを使い自分の身を・・・そしてそんな自分の身を使って娘を庇う。

シュゥシュウーーー!!!

と嫌な音をたてながら布が焼け溶け、鎧が煙を上げて溶けていく。
かなり強い酸を撒き散らしたようだ。
これはマズイな・・・とワシは慌てて溶けていくマントと鎧を脱ぎ捨てた。
既に装甲の薄い指の連結部分は、肌に焼けるような痛みを感じる。

脱ぎ捨てながらも娘を見れば、幸いにも娘は無傷のようだ。
良かった・・・。
何故かそんな事を思ってしまった。
「誰かを守る」なんて事は、とうの昔に捨て去った事だ。
騎士であることを辞めた、あの日に捨て去ったはずだった。


化け物の酸はかなり強いらしく、
鎧を溶かし、鎧を捨てた大地すらも少しずつ溶かしていった。
娘が慌てて側にあった枝で突付いて、浮島の淵から闇の中へと落とそうとしている。
見れば化け物を切り裂いた大剣も、もう使い物にならない程に溶けていた。
確かにこれ以上、この大地を小さくされても困る。

「フン!」

崩れ落ちる剣を使い、自分の装備を全て闇の中へと弾き飛ばした。
しかし飛び散った酸ばかりはどうしようもない・・・何か手を考えねばならん。
そんなワシの背中に何やら視線が突き刺さった。

「今度は何だ?」

「ガーランドってそんな顔だったんだなーって思って。」

確かに敵である娘に素顔を見せた事は一度たりとて無かった。
いや、それどころかあの鎧はワシの戦いの宿命の象徴でもある。
だからカオス側といえどワシの素顔を知る者は少ないはずだ。

「綺麗な黒髪ね。目の色もとっても綺麗。」

娘が柔らかい笑顔でそんな事を言う。
闇の色だと言われ疎まれたこの髪を、夜の暗闇の色だと避けられた紫紺の瞳を
そんな風に言われたのは初めてだった。

「馬鹿馬鹿しい・・・。
 それより、その背中の傷は直さんのか?」

不思議に思い問いかける。
娘は確か強大な魔力を持ち、魔法の才に長けていたはずだ。
その問いかけに娘はびくっと身体を震わせた。
聞いてはいけない事を聞いたらしい。

「今は・・・もう、魔法使えないの。」

そういえば娘の首には不釣合いな首輪がついていた。
アレは・・・確か皇帝が以前に作っていた魔導具だったか・・・・・?

なるほど、皇帝が娘を捕らえたらしいという話は聞いていたが・・・。
その際に魔導具を着けられたか。
しかし敵であるワシにそれをバラすとは・・・やはり愚かな娘だ。

「・・・あ!!」

その娘が素っ頓狂な声をあげる。次は何なんだ・・・。
溜息をついていると、娘は近づいてきてワシの手をとった。

「何だ?」

「さっきの所為? 火傷してる・・・。」

確かにワシの指は先ほどの強酸の所為で火傷を負ってはいたが、
だから何だというのだ。思わず天を仰いでしまう。
もっとも見上げた先に空はなく、ただ禍々しい闇が渦巻く空間しかないのだが。
それに傷は、娘が枝でワシの装備を突付いている隙に、手持ちの皮袋の水で洗い流してある。
隙をついたのは敵である娘に、自分の傷を見せるつもりがなかったからなのだが・・・。

・・・パクッ
不意に指先に暖かく柔らかい感触が伝わってきた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・何をしている。」

・・・咄嗟に言葉が出ない。それほどの衝撃だった。
ワシの眼下には、娘がワシの指を咥えている姿があった。

「魔法使えないから・・・。お薬もないし・・・・・・。
 子供が怪我した時にこうした事があったの。」

そういって、次は別の指を咥えた。

・・・・・・・・・・
ワシにどうしろというのだ・・・・・・。

「そのような事をしても、ワシは貴様の背は舐めんぞ。」

そういうと、娘は綺麗な目をまん丸にし・・・
次いで心に何かを呼び起こす笑顔で、クスクスと笑った。

ディシディアSS | 2009/02/18(水) 00:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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