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最終幻想-5-
蒸し暑い日々が続いておりますが、みなさま、お元気でしょうか・・・・?
少々短いですが、最終幻想の5回目をお送り致したいと思います。

今回から1回のSSの長さが今までより短めになると思います。
あまり巻数(?)を増やすと、読み始めにくかったり
どのあたりで何があったかを把握しづらいかなと思っていたのですが、
更新ペースや黒耀の個人的な事情により巻数が少々増えようが
短めで更新ペースを少し上げる方向に致しました。

まぁ・・・・「最終幻想-99-」なんて事にはならないと思います(笑)


そして恒例の注意書きです。
前回あたりからゲームとは大きくストーリーが変わってきています。
設定的にも捏造が幅を利かせてきますので、
そういったものが嫌い・苦手の方はここでUターンをお願いします。

それでは上記内容と「最初に」にある注意書きが大丈夫な方だけ
下の続きを読むからお進みください。


☆――――――――――――――――――――――――――



(誰か来る・・・!)

混沌の大地に広がる鬱蒼と茂った暗い森。
そこの片隅でキャンプをはっていたフリオニールは
薬草の調合を中断し、使い慣れた剣の柄を握った。
ティナ程の感覚の鋭さはないが、
色々と旅を続けてきた結果なのか勘は働く。

何かの気配を感じるわけじゃない。
だが、何かが近づいてくる・・・そう勘が告げていた。
何といってもここは混沌の大地・・・そう敵の本拠地なのだ。
しかも敵の力は強大なうえに無尽蔵ときている。
背中を嫌な汗が伝っていくのがわかる・・・・。

しかし程なくしてその緊張を解くことにした。
茂みの向こうに見えた人影に覚えがあったからだ。

「おかえり、バッツ。成果はどんな感じだ?」

そう、目前の茂みを揺らして現れたのはバッツだった。
その両手には水の入った皮袋やと木の実や果物がある。

「ただいま。とりあえず3人の昼食分ぐらいはあると思う。」

そう言うと荷物を降ろしもせずに
フリオニールの背後へと視線をやった。

「その後、ティナの様子は?」

そう、フリオニールの背後には一見は解らないようにはしてあるが
ティナの眠る寝所がある・・・・。

「あれから眠り続けている・・・・。
 時々うなされているようだが、起きる気配はないな。」


「そうか・・・・。」

二人して心配気に寝所の方を見るが、
今は静かに寝ているようで、寝息すら聞こえてこない。

「・・・・アレさ、どう思う?
 食いモン探してる最中も考えてたんだけど
 おれ・・・・やっぱりエクスデスのこと話した覚えがないんだよな。」

少し考えた後、バッツが今朝早くの事を切り出した。
異世界の生まれのティナが自分の世界の事を知っている・・・
それは不思議の一言ではすませられない出来事だった。

「俺も気になっていた・・・・。
 最初は皇帝にでも聞いたのかとも思ったんだが、
 あのプライドだけはバカ高い皇帝が
 失敗した侵攻の話をするとも思えんしな・・・。」

二人はそういうと再び考え込んでしまった。

秩序の戦士たちは確かに仲が良い・・・。
もっとも当人たちに言わせれば「仲間」なんだから当然というだろうが。
しかし、それでも過去の・・・
元の世界の話をする事は少なかった。
それぞれ何かしらの“痛み”を抱えていた・・・
その痛みと向き合う事を放棄する事はないけれど、
あえてそれを他人に見せる事もなかった。

その為にフリオニールにしてもバッツにしても
ティナが自分たちの世界の事を知っていた事が
不思議で仕方がなかった。

「夢で見たって言ってたけど・・・。
 ほんと、そうとしか考えられないよな。」

バッツの言葉にフリオニールも同意する。

「あぁ・・・。そして気づいたか?
 夢に見たという3人は、あの時倒した3人だ。」

そう・・・夢に見たのはあの時倒したエクスデスにケフカ・・・そして皇帝。
それが意味するところはなんだろうと二人して考え込んでしまう。

「消滅する際の強い想いみたいなのが
 ティナに影響を与えたのかな??」

首をかしげながらバッツが言うが
言いながらも確信はもてない。

「それなら、その3人で打ち止めで・・・・
 今頃は良い夢を見ていると良いな。」

そういうと、二人してティナの寝所をもう一度心配そうに見ると
フリオニールは再び薬草の調合に、
バッツは食事の準備へと取り掛かった。



━━☆━━



ティナはまだ夢の中にいた。
先ほどまで見ていた夢と同じで
夢だとわかるのに、現実感もある・・・・
そんな不思議な夢だった。


ティナが今いる場所は真っ暗闇・・・・
光一つない闇の中だった。

(ここは何処かしら・・・?)

きょろきょろとあたりを見渡すが
闇の中には何も見当たらなかった。
その時だった。

「誰だ・・・? わしの夢に干渉するのは。」

と声がした。しかもその声は確かにティナに向けられていた。
今までの夢とは違う展開に、ティナは驚きを隠せない。
そう、声の主の事も・・・・・。

(暗闇の・・・雲・・・?)

思わず声がした方をみると、
先ほどまで確かに何もなかった場所に
暗闇の雲が大きなベッドにゆったり・・・といった感じで横たわっていた。

「わしの事を知っているのか・・・。
 おまえは・・・誰だ?」

ティナの知っている暗闇の雲のように見えるが、
向こうは自分の事を知らなかった。

「またウネでも来たのかと思えば・・・
 見知らぬ娘よ、ここに何用だ?
 ここは・・・絶望の・・・夢の淵というに・・・。」

まるで自嘲するかのように暗闇の雲が言う。
そんな表情をする暗闇の雲をティナは初めて見た。

(絶望・・・?
 どうして絶望なの??)

強大な力で何度も彼女には苦しめられてきた。
その彼女が絶望の夢を見ているのだという・・・・。

「何故と問うか? 不思議な魂を持つ人の娘よ・・・・。
 人であるお前が問うか!!」

ティナに向けられる殺意に近い怒り・・・。
ますますティナは解らなくなっていた。
ティナの知っている暗闇の雲はいつも泰然としており、
戦いのさなかであっても、その余裕は変わらなかった。

「お前たち人は・・・何度世界を滅ぼそうとすれば良いのだ。」

と、はき捨てるように言った後・・・

「目覚めの後に待つは絶望・・・・。」

そう、ため息と共に吐き出したのは何度か耳にした言葉・・・・
それは戦いのさなか、ティナも聞いた覚えがある言葉だった。

ただ、それは自分たち秩序の戦士に向けられての事だとばかり思っていたが、
今・・・彼女が言った言葉は紛れもなく暗闇の雲、本人に向けられていた。

「解るか・・・人の娘よ。
 わし が目覚めるたびに世界は崩壊の危機を迎えている。
 それも毎度毎度、人間が原因だ!!」

ティナはオニオンナイトから以前聞いた事を思い出していた。
彼の住む世界で暗闇の雲は世界を滅ぼす為に何度も現れ・・・・
オニオンナイトたちの時代よりも、さらに1000年前にも
同じように世界を滅ぼそうとしたが封じられたのだ・・・と。

(でも・・・滅ぼそうとしてるのは貴女なんじゃ・・・・。)

そう思わず聞き返してしまったのも無理はなかった。
今まで見てきた暗闇の雲・・・彼女の言動からすれば。
しかし、目前の彼女はそれに「否」と答える。

「世界を滅ぼすのは人間ぞ!!
 いつもいつも、世界の理を壊すは愚かな人間!
 世界は人間の為だけに在らず・・・
 それすらも解らぬ愚かな人間なぞ、消えてしまえばよい!」

暗闇の雲・・・・・彼女の話をまとめるとこういう事だった。
世界は全て微妙なバランスで成り立っている・・・。
光も闇も、水も炎も、風も土も・・・・・
あらゆるものがバランスをとって成り立っていると。

そのバランスは少々の事なら
それぞれが自分で修正することができる。

しかし・・・
いつも人間が、人間のみがそのバランスを大きく崩すのだと。

一つのバランスが崩れれば、その他のものにも影響が及び、
連鎖的にバランスの崩壊が起こった結果、
世界の崩壊が訪れる・・・・・。暗闇の雲はそういうのだ。

(貴女が滅ぼすんじゃない・・・って事?)

「そう・・・・。
 むしろ・・・わし は・・・・・
 わし は世界を司る大いなる意思により
 作られた存在なのではないかとすら思う。」

その言葉にティナは驚いたが、
暗闇の雲はなぜなら・・・と更に続けた。

「世界のバランスが大きく崩れ、
 崩壊の危機に陥った時・・・わしは目覚める。
 そうすると不思議な事に人間どもは
 わしが世界を壊そうとしているのだと思い込み
 一致団結してわしの排除に向かってくる。
 わしはただ世界の崩壊を引き金に目覚めるだけだというのに・・・・。

 そして、それまで散々自分たちで壊しておきながら
 わしが現れると、それが一時的にせよ
 世界のバランスを守ろうという気を起こすのだ・・・・。

 そしてわしを倒し・・・
 幾年月が過ぎると、再び人は暴走を始める。
 愚かな、どこまでも愚かな人間どもめ・・・。」

そういうとティナへの関心を示さなくなった。
再び夢の中のまどろみという不思議な状態へと
暗闇の雲は戻っていく・・・・。
最後に

「目覚めたくない・・・・
 わしはもう目覚めたくはないのだ・・・・。
 目覚めの後に待つのは絶望・・・それしかないのだから。」

そういうと、ティナが何度呼びかけても
もう応えてくれることはなかった。

再び真っ暗となった世界でティナは
暗闇の雲が言っていた言葉を何度も反芻していた。

世界を無に返す悪い人・・・

暗闇の雲の事もエクスデスの事もそう思っていた。
人間相手では「彼らの中にも光はある」と思えるティナだったが、
人という範疇から大きく外れている二人には
どうしても人らしい感情を見る事ができなかった・・・

しかし・・・彼女らの心のうちを知るに至った今、
自分がいかに考えの浅い人間なのかを思い知らされた。

(私は・・・どうしれば良いの??)




━━☆━━



次から次へと現れる混沌の戦士たちの夢・・・・・。

ティナには知る事はできないが、
混沌の戦士が何処かで倒されるたびに
新たな夢としてティナの夢の中に現れた。

あるものは、ただ愛を求めただけだった。
それでも手に入らない愛に世界を呪ってしまった・・・・。

またあるものは守りたいものがあるだけだった。
闇でも、混沌でもない・・・・。
ただ純粋に守りたいものがあるだけだった・・・・。
だが・・・その結果として混沌へと落ちた。

あるものは自分の居場所を求めただけだった。
自分の存在する確たる証が欲しかっただけだった。
ただ・・・方法を間違えた・・・、それだけだった。

全てティナにとって、他人事ではない人ばかりだった。

そして混沌の戦士10人の夢を見終わった時・・・・
ティナは唐突に理解した。
コスモスが言っていた言葉・・・「真の闇」の意味を。

(コスモス・・・真の闇って・・・。
 それは人の心、人が持つ際限のない欲望・・・・なのね。)

人が持つ欲。
それ自体は悪い訳ではない。
誰しもが持つ当たり前のものだ・・・・。

だが人間だけなのだ、欲にキリがないのは・・・・。
動物も植物も、そして幻獣たちも自分たちに必要なものだけを欲しがる。
それは生きていくうえで当たり前のこと・・・・。
しかし人間はそれ以上を欲しがる、
無限に・・・今そこにあるもの以上を欲しがる。
そう、世界のバランスを崩壊させるほどに・・・・・。

(思えばケフカもガストラ皇帝の無限の欲の被害者だった・・・・。)

ティナは自分もその被害者であるとは思わず、
ただケフカの事を思った・・・・。

(どうすれば・・・・どうすれば良いの?)

守りたいと思った世界・・・・。
しかしその世界を壊すのは混沌ではなく、人の無限の欲・・・。
それがティナを混乱させていた。

しかし、混沌もバランスを保つ上では必要なのだと知った今、
ただ混沌を消滅させるだけではダメなのだ・・・・・という事は解った。

そこまで考えたティナはふと

(じゃぁ・・・、この世界は?
 この世界はどうなの??
 カオスが壊しているのではない・・・??)

他の世界、そして自分の世界と同様に
実際に壊しているのはカオスなのだと思う。

ただ、原因は何処にあるのか・・・・。
この戦いは何なのか・・・・。
ティナは初めて戦いの根源について考えをめぐらせた。

(カオスを戦いへと向かわせるもの・・・・。
 世界を崩壊させる人の無限の欲・・・。
 この世界を崩壊させるのも人の欲なの??)

そこまで考えた時、ティナの前に光が現れた。
それは懐かしい光・・・・。

「コスモス!!」


ディシディアSS | 2010/07/02(金) 00:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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