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最終幻想-6-
最終幻想もとうとう6となってしまいました。

このシリーズを書き始める時に、
最後までの粗筋は大まかに決めてあるのですが、
それだとようやく折り返し地点という感じです。
つまり・・・10・・・行っちゃうのかな・・・(汗)



そして恒例の注意書きです。
この最終幻想シリーズは「Shade Impulse」を一応下敷きにはしておりますが、
設定も展開もかなり捏造が幅を利かせております。
そういったものが嫌い・苦手の方はここでUターンをお願いします。

それでは上記内容と「最初に」にある注意書きが大丈夫な方だけ
下の続きを読むからお進みください。


☆――――――――――――――――――――――――――

ティナの夢の中に現れたコスモスは

「よく、ここまで来てくれましたね・・・・。
 礼を申します・・・・。」

と頭をゆっくりと下げた。
ティナの中に隠されていたコスモスの欠片・・・・。
それが今、ティナの前に姿を現していた。

ティナはといえば
その懐かしい姿に思わず涙ぐみそうになってしまう。
カオスの力によって消滅してから
時間自体はそれ程は経っていない・・・・・。
しかし、まるで数年逢えなかったかのような
そんな錯覚すら起こしていた。

「コスモス・・・。コスモス、私は・・・私たちはどうすれば・・・・。
 私たちは・・・・何と戦って・・・何に勝てば良いのですか。」

コスモスが言っていた「真の闇」に気づいたティナには
自分の進むべき道が見つけられずにいた。
しかしそんなティナに告げられたコスモスの言葉は
少々突き放した感すらあった。

「ティナ・・・・
 貴女が何を見て、何を感じ、何を思うか・・・・。
 そしてどういう結論を導き出すのかは貴女次第・・・。
 私の言葉で道を決めてはなりません。」

というコスモスの言葉に
ティナは直ぐにコスモスに頼ってしまった事を恥じた。

(そうだわ・・・まずは自分でとことん考えて・・・
 それからでも聞くのは遅くなかったのに。)

「ただ・・・見ていただきたいものがあります。
 見ていただきたい過去が・・・・。」

コスモスはうつむきかけたティナの手を取ると、顔を上げさせ
暗闇の中で一つの方向を指差した。

するとそこがポゥと明るくなり、
何処かの景色が映し出された。
そして、その映像の中にはとても見知った顔が・・・・

「コスモス?!」

ティナは思わず目を見張ってしまう。
何せそこに映っていたのはコスモス当人だったのだから。

ただ余りにも印象が違った。

ティナの知っているコスモスは“女神”であり
穏やかに、やさしく、時には厳しく・・・・
“神”としての威厳に満ちた存在だった。

しかし映像の中にいるコスモスは
よく笑い、少し拗ねたり、涙を流したり・・・・
普通の・・・極々普通の女性だった。
一人の男性を愛し、愛されている女性だった。

「あの・・・男の人は・・・?
 それに・・・・コスモスですよね? あの女性・・・。」

ティナの質問に横に居たコスモスが淡々と答える。

「えぇ・・・昔の私です。そして彼はシド・・・・。
 とても有能な科学者であり、技術者でもありました。」

その間も映像の中の二人は恋人同士として・・・
そして結婚し夫婦として仲睦まじく暮らしている様子が
映し出され続けている。

「当時の私は生物学者でした・・・・。
 人間や動物はもちろん、モンスターも研究していたのです。
 ただ純粋に知識を求めていたのですが、
 時代が・・・いえ、国がそれを許しませんでした。」

ティナの目前ではシドと呼ばれた男と
コスモスだという女性が一つの研究にとりかかっていた。

生物学者であるコスモス、
そしてさまざまな装置を作り出してきた技術者シド・・・・

彼らに求められていたのは
他国を屈服させる圧倒的な力だった。

ティナには信じられなかった。
やさしく穏やかな女神コスモスが
戦争という行為に直接的ではないにしろ加担していた事に。

「守る為・・・自国を守る為と最初は思っていたのです。
 愚かでした・・・・
 たとえ私がそうであっても、
 私の一存ではどうにもならない事の方が
 世の中には圧倒的に多かったのです・・・。」

そうして作られた存在・・・・
ソレが映像の中で大きくクローズアップされた。

ティナには全く見覚えのない姿だったが、心がざわめくのが解る。

(私は・・・この子を知っている!)

と。
その小さな子供は人間の子供とよく似ていた。
柔らかそうなぷにぷにのほっぺたも
小さく握られた手も・・・・

ただ、その手が4本あり・・・
ドラゴンのような尻尾が付いている事を除けば・・・だが。

「彼は兵器として作られた子供です・・・。」

そういうコスモスの声は淡々としていながらも
どこか辛そうで、ティナは思わずコスモスの顔を見た。
泣いているのではないかと思ったから・・・・。

しかしコスモスは表面上、変化はみられない。
ただ淡々としゃべり続けていく。

「当時は人間が世界を統べていました・・・・。
 単体ではドラゴン等、強い種も存在しましたが、
 文明を築き、世界を制覇したのは
 協力体制をとることができた人間だけでした。

 それにより種としては人間が頂点だという結論に到達し、
 その為に人間をベースとして作られました・・・。

 そう・・・、彼は試作品であり1号なのです。
 彼が成功すれば次々と新しい兵器が作られる予定でした。
 その為にも兵器同士の協調性が必要だったのです。

 ただ兵器ではあったので、純粋な人型である必要はなく
 より多くの武器を持つ為の4本の腕と
 ドラゴンの遺伝子を組み込んだ結果の産物である尻尾がありました。」

ティナはコスモスの言葉を聞きながらも
胸が痛くて仕方がなかった。

彼は戦う為だけに作られた存在だった。
ここにも「人の過剰な欲」による犠牲者がいたのだ。

「どうして・・・。どうしてこんな・・・・。」

それ以上の言葉が出なかった。
言葉の代わりに出てくるのは涙ばかり・・・・。


ただ、その後はティナにとっては救いともいえる映像へと切り替わった。
コスモスとシドがその子供を引き取って育て始めたからだ。

幼いその子供は
真紅の瞳を輝かせてコスモスの作った食事を食べたり、
白銀の髪をなびかせてシドと遊んでいたりした。

しかも3人が暮らしてる館は
自分たちがずっと寝泊りしていた、あの秩序の聖域にある館とそっくりだった。
その為なのか、まるで自分まで一緒にそこで暮らしているかのように思えてしまう。

映像の3人は本当の親子のようで、また笑顔満ちた光景だったので
ようやくティナは涙をぬぐう事ができたのだった。



しかし、映像はそんな幸せな光景のままでは終ってくれなかった。
何時しか強大な力を持つに至った子供が戦争に借り出され
泣き叫んで後を追おうとするコスモスと、それを引き止めるシド・・・・。

「気持ちは解るがアレは兵器なのだ・・・。」

とシドが言った途端、
その頬にはコスモスの平手が飛んでいた。

「あの子はあの子です!
 それ以外の何者でもありません!
 あの子は怖がっていた・・・母である私が止めなくてはならなかったのに!
 私はあの子を国に取り上げられる事を恐れるあまり、
 あの子の心に傷を残すような事をしてしまった。」

そういうと映像の中のコスモスは泣き崩れてしまった。


映像は次々と移り変わっていく・・・・・・
無事に帰ってきた子供と泣き顔で迎えるコスモス。
微妙な距離感が出始めるシド・・・・。

そして再びの戦乱。

次こそはと子供の引渡しを拒否したコスモスだったが、
相手は国家であり、抵抗しきれるものでなく
シドもろとも洞窟内へと幽閉されてしまった。
そして連れ去られる子供の悲痛な母を呼ぶ声・・・・。

思わずティナは耳を塞ぎたくなる程だった。
母を求める子供の声が脳内で何度も何度も繰り返される。

だが・・・

目を逸らしてはならない・・・・
耳を塞いではならない・・・・
これは知らなくてはならない過去だからと
涙で曇りがちな目でしっかりと映像を見続けた。


映像の中のコスモスは
洞窟内のモンスターを利用して脱出し・・・
子供が囚われているという研究所へと向かっていた。

そこで見たのは魔導研究所にあったような巨大な試験管・・・
そしてその中には頭部しかない・・・・
でも明らかにコスモスの顔をした実験体だった。

「コスモスのイミテーション・・・なの?」

ティナがそう思うのも無理はない。
生気が全くといって感じられないソレは
散々戦ったイミテーションと雰囲気がよく似ていた。



そして映像の中のコスモスたちは
憔悴しきり、目も虚ろとなった子供を見つけ研究所を脱出し
何処かへと向かおうとしていた。

その姿に思わずティナは「やった!」と喜びの声をあげた。
憔悴しきった子供の姿には胸が痛むが、
これでようやくみんな助かるのだ・・・と。



ところが・・・
どうして運命はここまで残酷な事を起こすのだろうか・・・・。
脱走した3人に待っていたのは追っ手の姿であり、幾つもの銃弾った。

あっと思うまもなく、その銃弾がコスモスの身体を貫き
白い服がみるみる真っ赤に染まっていった・・・・。

一瞬の空白

その直後の子供の絶叫と、シドの悲壮な声に
ティナは無駄だと解っていても、回復魔法をかけようと
映像に向かって駆け出しそうとした。

しかしそれを止めたのは他ならぬ女神コスモスだった。
ゆっくりと顔を横に振る。

「アレは過去の映像にすぎません・・・・。
 ただの・・・映像なのです。」

おそらく誰よりも助けに駆け出したいのは
コスモスだったのかもしれない。
その声が小さく震えていた。



映像では母を失った子供が絶望のあまり力を暴走させ始めた。
スローモーションのように倒れるコスモスを前に
シドも茫然自失となっていて動けずにいる。
その直後、映像は唐突に途切れた。

「私はここで意識を失いました・・・・。」

と横に居るコスモスが言う。
コスモスの記憶の欠片が見せる、過去の記憶・・・・。
その為コスモスが知らない事は見せられないのだろう。

ティナはコスモスに何て言えば良いのかが解らなかった。
余りにも衝撃的な過去の映像に
慰めの言葉なんて出てこなかった。
ただただ涙だけが溢れ出してきて止まらない・・・。

そんなティナの頬を伝う涙をコスモスは指でぬぐった。

「ティナ・・・・私は大丈夫です。
 だからもう泣かないでください。」

そう言うが、ティナは逆にブンブンといった勢いで
首を大きく横に振ってその言葉を否定した。

「大丈夫・・・なんて、そんな訳ないじゃないですか!
 コスモスだって泣いている・・・・・
 心が泣いている・・・・・・。」

女神コスモスの表情は相変わらず穏やかなものだった。
だが、その心は泣いているとティナは言い切るのだ。
感受性の強さは全戦士の中でも随一のティナ。
そんなティナにコスモスは静かに微笑むと
再び始まった映像を指差した。


瓦礫の中で目を覚ましたコスモス。
息があるのが不思議なぐらいの出血量ではあったけれど・・・・。

あたりの風景は一変していた。
まともに建っている建造物は何もなく
ただの瓦礫の山と化していた。
そう・・・脱出した研究所も跡形もなく崩れ落ちていた。

そしてあたりには人の気配はなかった。
シドも・・・あの子供も。

ただ、不気味な事に空間が変に捩れている所があった。
その捩れから微かに見える向こう側からは
恐ろしい魔物の気配がする。

「当時、この国では幾つもの兵器の研究をしていました。
 その結果、失敗作が幾つも生まれ・・・・
 それらを次元の狭間に捨てていたのです。
 そういった事を何度も何度も繰り返した為なのか
 この研究所付近は次元の壁が薄くなっていました・・・。」

とコスモスが説明するが、次元に関してはティナには良く解らない。
ただその狭間から感じる気配には覚えがあった。
ガーランドと共に混沌の渦に飲み込まれた時に感じた気配・・・・。
そして先ほどの夢で見た皇帝をそそのかした気配だった。


映像はコスモスが転移装置を使い、
自分の故郷へと戻って記憶を受け継ぐ儀式を執り行う場面だった。
こうしてようやく・・・コスモスは一命を取り留めた。

・・・と言って良いのだろうか?

コスモスというあの身体は死に
コスモスとそっくりの顔立ちの人が、
コスモスの記憶を持ったまま生まれてくる・・・・。

それは死でもあり生でもあった。


「こうして私は記憶を次世代へと受け継ぎました。
 ですが、この儀式も実は限界にきていたのです・・・・・。
 徐々に失敗する確率が高くなってきていました。
 私の儀式も賭けに近いものだったのです。
 おそらく世界のバランスの関係なのでしょう・・・。」

そう言いながらコスモスは先ほどとは別の場所を指差した。
そうすると、今度はそこに映像が浮かび上がった。

やはり映像の中にはコスモスがいるものの、その顔はまだ幼い。

「旅ができる年になると同時に
 私は夫・・・シドとあの子を探しに旅に出ました。
 しかし何処を探しても気配すら掴めないでいたのです。」

そしてコスモスは森の中に建つ白い神殿へとたどり着いた。

「ここは時の神殿・・・・・。

 私たちがあの子を作り出した時代よりも幾年も経った後・・・。
 ティアマトやクラーケンにより世界は壊されていきました。

 世界の人々は高い文明を失う代わりに感応力を得たのか、
 そこは私が撃たれた研究所のあった場所・・・・
 そう・・・・、時と空間を遮る壁が非常に薄くなっていたあの場所に
 人々は神殿を建てて空間を固定しようとしていました。」

映像の中のコスモスはその神殿の中へと入っていくと、
時空を固定する結界を潜り抜けて、時空の狭間へと身を投げた。

「この世界に居ない以上・・・・
 考えられる事はただ1つ。
 ここではない別の世界に居るという事でした。」

と横に居るコスモスが過去の自分の行動を説明する。
時空の狭間でコスモスを待ち受けていた困難は大変なものだったが、
コスモスは夫や子供を探し出して逢いたいが為に・・・・
ただその一心で狭間を漂流し続けていた。



「そして見つけたのです。あの子を。」

そういうとまた別の場所に映像が浮かび上がった。
荒涼とした大地にただ一人立つ我が子を見つけたコスモスは
駆け寄ると思いっきり抱きしめるのだった。

子供の方も最初は信じられないとばかりに警戒していたが、
それが紛れもなく愛する母だと知った途端
泣きながら母にすがりついていた。

こうしてコスモスと子供の二人の生活は
強大な力のバランスをとりながら、
お互いに支えあって穏やかに流れていった。

そんな生活の中で
子供は徐々に青年と呼ぶにふさわしい年となっていく・・・

「私はおそらくこの世界に来た時に
 私であって私でなくなっていたのだと思います。

 ティナ・・・貴女にはもう解っているでしょうが・・・
 この子こそが・・・・」

とコスモスは後半になるにつれ、少し言いよどみ始めた。
ソレを受けてティナは小さくうなずくと

「はい・・・この子供が・・・カオスなんですね。」

と小さいながらもハッキリと断言した。
ティナにはうすうすわかっていた。
確かに4本の腕を持ち、尻尾もあるが、外見は似ても似つかない。
でも・・・解ってしまったのだ。
あの子供が倒すべき“カオス”であるという事が・・・・。
コスモスが守ろうとしてきた存在がカオスであるという事が。


「世界はバランスの上になりたっています。
 この世界に飛ばされたカオスの力は強大すぎて・・・・
 世界は何時崩壊してもおかしくない状態でした。
 だから世界そのものが対となる存在を求めたのです。」

「それが・・・コスモス。」

「えぇ・・・。その為にカオスと同等の力を得ました・・・・。
 私は当初、ソレを喜びました。
 これで夫が探しやすくなるにちがいない・・・と。
 ですが現実は違いました・・・・。」

「シドさん・・・見つからなかったんですか?」

コスモスの言葉にティナはてっきりそうだと思った。
二人の強大な力をもってしても
見つける事ができなかったのだと・・・・。

「いいえ、彼は自らこの世界へと流れ着きました・・・。
 そして彼は今もこの世界に居ます。」

とコスモスが苦しそうに言葉を紡ぎだした。
最初、ティナは喜ばしい事なのだと思った。
また家族3人で暮らせるのだ・・・・
家族の記憶が一切無いティナにとって
それは想像すらできない幸せなのだろう・・・と思う。

しかし当のコスモスは全く嬉しそうではなかった。

「彼は・・・シドは
 カオスと同等の力を持つ私が妻であると気づきませんでした。
 なまじ研究所で私そっくりの実験体を見ていただけに
 私をカオスが作り出した偽者だと思ったようです。」

ティナにしてみれば衝撃的な言葉だった。
あれほど愛し合った二人でも信じあえないという事が。

「どうして・・・・。」

思わずそうつぶやいてしまう。
それにコスモスは珍しく苦笑しつつ答える。

「おそらく彼は、私があの研究所で死んだと思っているのだと思います。
 もし逆の立場なら私も同じように思い、そして絶望した事でしょう。
 儀式を行う事もできずに・・・・と。

 更に内に抱えた強大な「秩序の力」が
 別の人間と認識させてしまったのでしょうね・・・。

 その結果・・・・・。」

と、ここまで言うとコスモスは口をつぐんでしまった。
しかしコスモスが口をつぐんでも
映像は進み・・・流れ続ける。


コスモスの前で「偽者め!」と叫ぶシド・・・
どれほどコスモスとカオスが説明しても分かり合えない。

そのうちシドの言動からカオスへの憎しみを感じるようになった。
カオスが居たから妻が死だのだ・・・と。
そして妻そっくりの身体を作るのは
安らかに眠るべき妻を冒涜する行為だと。

この世の何もかもが許せないようだった。
自分から妻を奪ったカオスが・・・・
そして自分にカオスを作らせたあの国が、
何もかもが許せない・・・と、そんな事を喚いていた。


そしてシドは求めたのだ。
究極の力、究極の混沌を・・・・・。

自分の肉体と引き換えに永遠の闘争を起こす為の契約を神竜とし
時空の狭間を流れていたガーランドの宿命を利用し
自分も他者も・・・あらゆるものを犠牲にした。
己が復讐を果たす為に・・・・。

「やはり・・・人の欲・・・・。
 シドも確かに被害者だわ、でも・・・・・。」

映像を見つつティナがポツリともらす。

その映像には
ガーランドの宿命をコピーされたカオスが
苦しそうに身もだえしながら赤黒い肌へと・・・
そうあのカオスの風貌へと変化していくさまが流れていた。

「やめてください、あなた!」

と叫ぶコスモスの声が余計にシドを苛立たせているのが解る。
シドは更にカオスの記憶すらも奪い・・・・

こうして永遠の闘争のお膳立てが出来上がっていった。





ふとティナが気づくと、横にコスモスの姿は無かった。
映像は消え、再び闇だけの世界へと逆戻りしている。

コスモスの記憶はティナにとっては衝撃の連続だった。
女神となる前には人間であった事も、
コスモスがカオスを作り出した事も
そしてこの戦いが永遠に繰り返されていた事も。

確かにガーランドは永遠の闘争と言っていたが
アレは比喩としての意味で、
ティナは本当に永遠だとは思っていなかったのだ。
ましてや何度も勝敗が決し、
その度にシド=大いなる意思の力により
復活させられ再決戦を強制させられていたなんて・・・・。



「いま、この世界を滅ぼそうとしているのはカオス・・・・。
 これは間違いじゃない。確かにそうだから・・・・。

 でもカオスを作り出したのはシドとコスモス。
 ううん・・・彼らは命令で作り出しただけ・・・・。
 作らせたのはあの国の指導者たち。
 彼らは戦争の道具としてカオスを作った・・・。」

ティナは自分の知った事を整理するかのように
順に言葉に出して確認していった。

「そして永遠の闘争。
 これを仕掛けているのはシド・・・。
 理由は復讐のため・・・・。
 その為に何度も何度も・・・私たちを戦わせている。」

戦いは何時まで経っても慣れる事はなかった。
怖くて痛くて辛くて・・・
しなくて済むのなら二度としたくないと思う。
にもかかわらず、記憶を消してまで何度も戦わせる・・・

彼のせいで幾度と無く怖い目にあった。
仲間たちもいっぱい傷ついた、心も身体も・・・・・。
それを思うとティナはシドに嫌悪感を覚えてしまいそうだ。

(なんて・・・なんて人は愚かなの・・・・・。)

そう思わずにはいられない。
過ちを幾度も繰り返す愚かな存在・・・・。

しかし、そんな思いと同時に
コスモスが見せた「母」という愛の形に
ティナは心が震える想いだった。

元いた世界が崩壊し、モブリスにたどり着いて数ヶ月・・・・・。
小さな子供たちがママと呼んで慕ってくれていたが、
母の記憶が一切無いティナにとって
どうすれば「母」となれるのかが全く解らなかった。
子供たちが自分に求めているものが解らないのだ。

だから子供たちから「○○してー。」と言われてから
ただそれに従うだけだった・・・・。

しかし、今・・・・
映像の中のコスモスを見て
子供たちが自分に求めていた愛の形を知る事ができた。
何処までも大きな、包み込むような愛。
安心をくれる暖かい愛・・・母性愛を。

「コスモスは今も“母”なのかしら?
 当然よね・・・。
 だとしたら、コスモスはカオスを・・・救いたいんだわ。」

幾度も考えた末にティナはそう結論付けた。

コスモスは世界を守りたいと同時に
カオスも救いたいのだと。

「なら・・・・その為には何をすれば良いの・・・。
 私には何ができる?」

自問自答するが答えは簡単には出ない。
考えが堂々巡りするばかりでまとまらないのだ。

何せ相手は強大な力を持つカオスだ。
・・・・とそこまで考えてからティナは気づいた。

「馬鹿ね・・・・私。
 私は一人じゃない。私には仲間がいる・・・・。」

そう言葉に出すと、
それまで不安だった心の中に
ムクムクと何か大きな力が沸いてくるのがわかる。

「1人じゃ答えが出なくても2人なら? 3人なら??
 ・・・ましてや10人なら??
 みんなにも聞いてもらおう。
 コスモスの声を、そしてカオスの戦士だった人たちの声も。」

そう決意するとはるか頭上に光が輝いた。
ティナはその光に向かって翔けていく・・・・。


そして、ティナはようやく目覚めたのだった。


ディシディアSS | 2010/07/16(金) 00:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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